、(あめ)/乾 加津也
 
たくなに
むすばれていた

        おなじいろした
        ひとたちから
        とおざかり
        いびつな
        わたしひとり
        びくうに棲みつかせた
        のは
        わりばしでっぽうの輪ごむがちぎれて
        掌の底がみえず飴玉のように抛られて
        しずんで
        ゆれる
        かあさん



とぎれとぎれに
つづく
あめすじ
おとも
やみ
おんどを
かえし

        あめ
        、 、 、 、

ぬれる
靴いろの
まなざしが

        ひとところからはしりさる
        国道にそって



なにもかも
やめられる
あめ

        、 、 、 、 、




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