ひとつ うつろい ?/木立 悟
 

新たな鼓動と呼吸が生まれ
肺と喉の空白に
羽は降る羽は降る羽は降る


生は生に生き飽きて
水辺ではない水辺をめぐる
波のかたちを繰り返し
幾重にも幾重にも消えてゆく


うすいうすいふかみどり
どこまでもどこまでもふかみどり
すぎるもの また越えるもの
はためく先の先まで照らす


ささやきと揺らぎ
どの路地にも入り込み
崖からあふれ河口へ流れ
歩みつづけるむらさきに添う


午後が午後に降る
まとわりつくもの ただそのままに
何処へいこうと 何処とは何処かを尋ねずに
ねむる


































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