ひとつ うつろい ?/木立 悟
さらさらと
まとわりつくもの
ふりほどかずに
ねむる
首のまわり
言葉と鎧
うなじの角
避けられた 寝返り
粉より大きく
嘆きは浮かび
氷をほどき
夢なき夢から醒めてゆく
むらさきが
雨上がりを歩む
別のむらさきがあとを追う
朝が 朝になる
丘を幾つも積み上げた丘から
細い光がたちのぼる
音が音を削る
色になり 降る
光のはざま
ぱらぱらと
わけへだてなくうつろう
尾でも羽でもある羽たち
指と指の無
いろがみが見るたかまり
そよぐそよぐ
指よごす
夜が夜の手を重ね
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