「 消さないで 」/椎名
ところどころ紅葉が始まった並木道は
それはそれは色とりどりで美しい
そこから木漏れ日が射しこむ様は
夢のトンネルの中を進むみたいで
ハンドルを握る手に
更に意識を集中しながら
見とれる
アスファルトの上を落ち葉が乱舞する
言葉では言い尽くせない素晴らしさ
こんな瞬間を
心の中に留めておきたくて
夏の間の燃える想いも
季節が変わり
少しずつ色褪せていくように
木々の葉が色を変えていく
そうして舞い落ちる
それが風に巻き上げられ踊り狂う
これが最後
今年は最後
そんなふうに聞こえてくる
木々のざわめき
消さないで
燃える想い
心の中に
いつまでも留めておいて
色を変えずに
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