出来心/シャドウ ウィックフェロー
 

君のことを想うにつけ
人生は出来事の連続というより
出来心の連続という気がする

次からつぎへと事は起こり
それは一見不可避なもののように見えているけれど
実はそこに身を置いた自身の責任でもある

かつて居眠り運転で死にかけたとき
まともな判断もできない状態になってさえ
ままよとアクセルを踏み続けた

酒を飲んで徹夜で車を運転するなんて
ほとんど自殺行為で
あるいは殺人者となっていても不思議はなかったのに

被害者の出なかったのはたまたま
繁華な通りでもなく
歩行者の多い時間帯でもなかったからというに過ぎないのに

事実として残ったのは
つまり出来事としては
自損事故と入院と保険金の受け取りだけ
でもそれらは全く
起きたことの全体を表してはいない

まったく出来心ってものは
自殺と事故死と殺人の区別もつかないような
とんでもないところへ
人を連れていってしまう



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