World Is Mine/ホロウ・シカエルボク
テーブルに置き手紙を残して小さなバッグを抱える誰か
混線気味の公衆電話に向かって必死でなにかを叫んでる誰か
日の当たらない路地裏から這い出してマッシュルームの空缶に小銭を乞う誰か
産婦人科の玄関ロビーでやつれた頬を涙で濡らしている誰か
ガソリンスタンドでひび割れた指先を汚して金持の車を洗ってる誰か
ファミリーレストランのキッチンで肉の焼ける匂いに吐気をもよおす誰か
昨夜の酒をこらえながら電動ノコギリの振動を力で抑え込んでる誰か
夜中じゅう誰かの欲望の相手をして芯までカラッカラになってる誰か
タクシーから降りてきてようやくの休みに伸びをするくたびれた背広の誰か
レ
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