Picnic/高梁サトル
 


こう仮定してみようよ

スタートラインに立ててないから
デッドラインも見えなかったと
それさえも笑いごとですませてしまうんだ
三歩下がって
地べたの歪んだ白線に蹲ってキスをする

「つまさきの先の二人を隔てたこれが渇く前に」

暖色の言葉が
おまえの中でひとり歩き始める前に
ひとつの提案が反語として暴動を始める前に

朝起きて夜眠る反復の幸福
露の滴で裾を濡らして
小さな木の実でポケットを膨らませて

そしてうちへ帰ろう

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