必要と快楽/シャドウ ウィックフェロー
る。よりはやく過ぎ、よりはやく満たされ、よりはやく無になるために。
ご馳走は次からつぎへと供給され、刹那に消費され、消化され排出されていく。
必要と快楽は手を結び、生命活動そのものとなって、ひとを突き動かす。その時、快楽は必要をこえてしまう。
たとえお腹は満たされたとしても、舌が満たされることは永遠にない。
食べると、飲むと。摂取の最初に快楽が与えられた不思議を思うとき。
摂取の最後である排泄にも、ある種の快楽があることに気づく。
最初と最後。
快楽は刹那に宿る。
そしてその中間の、圧倒的なつまらなさ!
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