ひとつ うつろい ?/
木立 悟
花びらを
陰を
喰みつづける魚の
雨をよぶくちもと
ひたいの光を
空は分ける
縦と手のひら 霧と中庭
渦と無人と みどり ひとりごと
目を透るもの 透らぬものの差が
水銀の粒の柱にあらわれ
消えては廻り
景を薄くする
夜にならない午後に
呪い座は未だ在り
流れぬ川に見つめられながら
流れぬ川を見つめている
やさしいものらは見えなくなり
やわらかく冷たく寄り添っている
野と街の境 ひとつの渦
空を映し 脈うっている
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