サム・ガールズ/ホロウ・シカエルボク
 
さっきはごめんなさいね、イライラしてたものだから」返事を待たずに隣に腰掛ける、酔っているのかキマッテいるのか、トロンとしてて危なっかしい、ヤニ臭かったけど悪くはなかった「楽しくないの?」と彼女は何度も聞いた、80年代のストーンズに耳を傾けながら、俺はわざと生返事をする、はっきりそうと答えるよりも多くを語るシチュエーション、それだけは若いころから得意技なんだ、「ならば楽しくやりましょう」
洗面所の個室で俺たちは向かい合った「ひとつ言っとくことがある」「なにかしら?」「俺、既婚者なんだよね」「それがなにか?」「だから…余計に楽しめる」「ハッハ」重くて、丸くて、グルーブしてる懐かしいビート、ミラーボールの天井でウィークエンドが光に目を回して…




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