家/たもつ
 
かけていたばあさん
見せたかった 家
ある日突然に星屑となった
きっと俺らはある日突然に家となる
もっと窓を作っておけば良かった
サインポールをたくさん用意しておけば良かった
抱きしめると 遺影 俺らの 遺影 俺らは 遺影
風と像の見分けがつかない

イエイ イエーイ! 家
足元に咲く花を見れば空の小ささが良くわかる
俺らはこんな小さいもののためには生きていけないねえ と 家
玄関に立ち止まれば向こう側でこっち側と鉢合わせをする 家
俺らが朝食の準備をしている間にも
今日という今日に窓を取り付けている家がある



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