笑うカスタネット/m.qyi
いは、
サンダルの散らかりすぎたすぎた滑走路 紙ヒコーキの泳ぐ地下鉄(「虚飾拾遺集」)
五十円玉の虚空の砂嵐 裏にはためく緋色の絹布 (「虚飾拾遺集」)
おひさまがカレーを喰って昼下がり二人で蹴飛ばすボンゴの大地(「腹の七糞」)
空色のシーラカンスがゲップをすればこの裏庭に風が吹くのだ(「人生の夏休み」)
これらの歌が描く風景は純粋で美しい、鮮明な色がある、或いは、広がりもふくらみもあ
る風景だ。他にも、こんな未詩の美しい一篇もある、
{引用=たとえば
ジクソーパズルをさ
五六個買ってきてさ
縁側に放り出して
ビール
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