笑うカスタネット/m.qyi
 
ミの尻尾にまるいくしゃみのとまらない夢(「虚飾拾遺
集」)
三分でラーメン喰って破滅してドンブリもろとも叩き割る街(「だんすがすんだ」)
ベランダでダンスにふける脱水機 馳せる想いのカラマワリかな(「エレファント・ス
トーン」)}
その時の焦燥も感じられるのである。

もし、個人に意味がないのなら人はどうすればよいのだろう。普通は、その無意味にな
ってしまった個人を社会的文脈にもう一度組み込ませていくことによって価値は見出され
るだろう。しかし、それは、個人に価値を求めたものにとっては挫折でしかない。その個
人を観察した目は同時に劣らず詳細に社会も観察してきた目だ。社会が個人に
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