ノット・アズ・センチメンタル・アズ・イット・ユゥズ・トゥービーなジャーニー/コーリャ
 

呪文をとなえるみたいに
あめだまをころがしながら
光の中を進めば進むほど
あんまり寒いので
動物園なんかはすっかり氷付けにされてる
入園できそうもないので
そのまま帰った

幽霊がしぬほどいる街についたら
ペンキをたくさん買おうとおもう
とうめいなかれらをひとりのこらず
生者とおなじにしてやるためだ

次の街では人々が
みんな樹木になっている
それぞれのポーズで生えながら
ざわざわと人語を発しているようにきこえる
どいつもこいつも
あんまり生きることに絶望してしまったので
せめていままで吸った酸素を
地球にかえしてあげるのですと
風に脱字した言葉をきい
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