虹を願う/千波 一也
 

もう、
なにものにも
負けませんように、
進んでいけますように、

雨あがりの空に
虹をみつけたら、わたし
いつの間にか呟いてた

誰に
言わされるでもなく
わたし、呟いてた



子どもの頃はひたすらに
虹を描いてた

ななつ、
なないろ、と
合い言葉を身につけて
わたし、虹を描いてた



虹をみつけたら、
しあわせになれる、だなんて
そんな決まりは
どこにもない

だからこそ、
そのふところのいい加減さに
とても無防備に
満たされるのだ、と
おもう

ようやく抱いた
祈りとともに
わたしは、
虹に





戻る   Point(4)