Loneliness/寒雪
ている老木の根っこに見えて思わず吐き気に口を押さえる
心許ないソファーの座り心地に愚痴を頭の中で繰り返す私の足元に
飽きもせず秋波を送って眼前でニヤニヤと笑みを浮かべるロードノイズ
他の人たちにはこんなにも晴れ渡って快適な一日を提供しているはずの青空が
私の心の中にだけは絶えず雷雲を携えて居座ろうとするのはなぜなのだろう
昼間の太陽が存在を隠そうと躍起になるシリウスの位置を探そうと
GPSを片手に心の迷路を奥深く叫びたくなる気持ちを堪えて慎重に進む
誰も手を貸してくれない気の遠くなる戦いをわかっていながら
それでも引き返すことも出来ずにすっかり削れてしまった悲しみを抱えながら
ただただ心の奥底に潜む欲望のリズムを頼りに
背後から不意に聞こえてくる
聞き覚えのある声に
誰よりも早く振り向くと
そこには待ち合わせた友の姿
安堵のため息と共に私の心にも
シミ一つないきれいな青空が
その時私が微笑んだ意味を
友はたぶんわからないに違いない
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