ほんとうの真夜中の在り方は知らねえ/ホロウ・シカエルボク
 


些細に行き倒れ
網膜は硬直を始める
騒ぎ尽くしたはずの夜
なぜ眠りはここを離れる
狂った蛇が食らいつく
後先のない牙の痛み
ぬるい温度を漂いながら
呼気に紛れた贄を吐く
雨だれの染みを
拭い続けるような営み
されど孵らぬときを
もう知らない振りをして
いくつかの壊死した感覚が
また往生際を蘇らせる
クラブハウスサンドイッチの
レタスみたいにぶつ切りの意地
くすんだ硝子の向こうに見える
白色だけのネオンの跳躍、は
忘れた頃のどん詰まりで
鈍い笑いを漏らすのだ
浮遊するのはいつも、釈然としない怒りと
釈然としな
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