Absinthe/ホロウ・シカエルボク
 




剥落する幾許かの、幾許かの輪郭を、新規の過去を手繰る輪転機の脈絡に乗せて、点滅する電灯の落胆のような痛み
病み落ちた魂のホメオパシー、降る闇の狭間の脱落、板張りの壁で散らばった羽虫の黄ばんだ複眼
零度、から数えて何度めかの目盛りの夜半、湿気た寝床の上で目を見張る早合点の夢魔の長い、途方もない苛立ち
ソプラノで小さく嘶く幾つかの電気機器の、和音を拾えば大抵短調だ
焼土を敷き詰めた脳漿の疼きは頑丈に仕上がって、瞬きにうろたえる水晶体は被写体のフォーカスを絞り損なう
白濁した視界の臨界はおそらく俺をどこにも連れては行かない
心房から滴る血液の乱気流、存在点は盲目に
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