彼者誰時(かわだれどき)2/……とある蛙
 
夜が辺(あた)りの色を奪うとき
灰色の濃淡だけの風景の中
独り佇み窓の外
悲しみだけの夜道を歩き
とぼとぼ何処へか歩き出し、

夜が心も奪うとき
沈む気持ちのその先に
灯りがぼーっと点(とも)ります。
その灯りすら灰色で
景色は不思議なモノクローム

はたと見据えた心の悲しみ

夜が
悲しく思えるのは
暗い色が
死んでしまうことを
思わせる色だから

夜が
寂しく思えるのは
暗い色が
ほかのものを
見失わせるから

夜が
静かに思えるのは
暗い色が
たくさんの音を
吸い込んでしまうから






暗い色がある間
彷徨う夜がそこにあり、
さまよう場所もそこにある
しかし
夜明けの薄暗い時間、
かわだれ時は

さまよえない、さまよわない
そのまま時間が過ぎてゆき
さまよう間にやつが来る
朝のまぶしい光がやって来る
ズーズーしくもやってくる
さも希望に満ちているかのような
正義面した朝の光が
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