休止と区切りのモノローグ ☆/atsuchan69
んの脇を通ったら
二人とも聖書を読んでいた
ぼくが読むのは歌の本
スライゴの市場で買ったやつさ
ぼくらは最後の審判の日に
裁きを受けるピーターと出会った
ピーターは懐かしそうにぼくらを見ると
まずぼくのところに声をかけた
楽しいことはいいことだからさ
滅多な場合は別にしてね
バイオリンを聴くのは楽しいのさ
踊りを踊るのは楽しいのさ
ほかの人たちもぼくに気づくと
みんないっせいに集まってきて
くちぐちにぼくの名を叫びながら
いっせいにダンスを踊ったのさ
ウィリアム・B・イェイツの詩集「葦を吹き渡る風」から「ドゥーネイのバイオリン弾き」(壺齋散人訳)
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