ひとつ うつろい ?/木立 悟
 
音はさらに遠去かる


夕空の
白い鱗
ただ白い
跡の跡


春の霧と無
距離も時間も
静かな網の目
ひとつだけ 通る


枯れた花に花は降り
曇は水に増えてゆく
澱みの行方 澱みの飽和
鏡に帰し 鏡をなぞる


影がめくる花
降りやまず
午後の坂 高く
歩むもの皆 
羽を土に置いてゆく

























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