ひとつ うつろい ?/
木立 悟
音はさらに遠去かる
夕空の
白い鱗
ただ白い
跡の跡
春の霧と無
距離も時間も
静かな網の目
ひとつだけ 通る
枯れた花に花は降り
曇は水に増えてゆく
澱みの行方 澱みの飽和
鏡に帰し 鏡をなぞる
影がめくる花
降りやまず
午後の坂 高く
歩むもの皆
羽を土に置いてゆく
戻る
編
削
Point
(3)