渦/ポー
 

ただただ 貴方を癒してあげたい心と裏腹に 私は新たな荒波に貴方を流してしまった

気ままな風に吹かれることが好きな貴方には よかったろう

ままならずに苦しんだことも在っただろうが‥

それでも 寂しい笑顔で微笑む貴方は 輝いてみえた


その輝きを失わず 新たな渦へ去った貴方は・・・



数ヶ月後
改札口でみた貴方よりも ずっと素敵な笑顔になっていた姿をみて 涙を隠しきれずにいた私


貴方の温もりも
不器用な優しさも
下手くそな嘘も
強がるいつもの姿勢も


みんな 透けてみえた


渦に溶けてしまえば
強くも優しくもなれなかっただろう‥そう 貴方も私も


偽日になり 願おう
貴方が真になれる日を



いつの間にか 渦は透き通った静かな水面に戻ていた 気づかぬうちに




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