訴える/一 二
 
あいつを訴えます

石が私の玩具となりました
石は顔をもち
父と母の顔をもち
花のように萎むこともなく
獣のように噛みもせず
暖炉に投げこんでも
乾いた木のようには燃えません

孤児である私は
あなたに訴えます
世界に訴えます

お前よ
お前は何故、私から
柔らかな母を奪ったの
そしてねえ、お前
お前は何故
私に似ているという父を奪ったの

私はもう
この世の誰にも似ていません

おお、お前
私達はお前を訴える

全てを奪われた私達は
主の元に還れずに
孤独の野辺にて眠りにつく
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