仲麻呂/……とある蛙
押勝の横顔は
琵琶湖に沈もうとする夕日
の照返しを受け
朱く染まっていた
湖畔勝野の鬼江から
船を出し、助かる見込みの無い闘争
せめて家族はという家長の気持ち
そんな気持ちも家族は一つ
勝野の鬼江で朽ち果てる
思えばホンの二日前
駅鈴、御璽の争奪に
息子と将軍ともに死し
無念の遁走都落ち
自らの拠点も橋焼かれ
哀れ北国に落ちて行き
結局京師に立ち戻り
琵琶湖畔 勝野の鬼江に
そこで脆くも敗れ去り
家族逃れず湖上に漂い
石村岩楯に切り殺され
都落ちからたった二日あまり
九月一三日の夕暮れだった。
一族滅亡
続日本紀は
これを恵美押勝の乱というけれど
一体どこが乱なのか
天皇の自ら仕掛けた争乱
中国かぶれの仲麻呂は
日本の幸せ 律令制
太政大臣もちろん大師
もちろん立派な日本帝国
逆賊?仲麻呂の仏教支援
みな天下国家万民の安寧
仲麻呂あくまで公のため
吉備真備の
孫子の兵法
結局嵌められ朽ち果てた
恵美押勝の怨霊が
平城京を朽ち果てさせた。
古代の忘れられたクーデター
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