野良猫チャトラン(仮名)/subaru★
朝
小料理屋の前で
ミャアミャア鳴くお前は
「リアル招き猫か!」と
心の中で突っ込んでは惚けてみた
あの凍てつく日から
平日の朝は日課のように
小料理屋の前を守っているんだ
夜
「お前は守衛さんか!」と
声をかけて突っ込んでみた
勝手に名付けた三毛猫チャトラン(仮名)
ボッサボサの毛並み 床屋要らず
夕方
チャトラン(仮名)が俺に話しかけてきた
「お前 人間語で話せ!」と無理難題を出すが
そういう自分も猫語を話せない
チャトラン(仮名)が俺に何をねだってきたのか
訴えてきたのか分からない
寂しそうな目をしてたのは確かだった
いつか お互い死んで生まれ変わったら
俺が野良猫でお前が人間になったら
お前は俺に話しかけてくれるのか?と
俺はチャトラン(仮名)を撫でた
小料理屋の窓に犬好きの俺の顔が写っていた
戻る 編 削 Point(7)