わたしはおんなでいたくないのです/
ゆるこ
しだけ、思春期のにおいがする
だけど、口元のかおりは、
どうしたって
私の内臓のかおりがぷんぷんするのだ
だから私は口元にたかり、
胎児のように屈んで
静かに、静かに、
息子に寄り添うのだ
息子は私を追えない
視力0.1の世界に、
私は存在したくない
*
わたしは、おんなは、もういやです
わたしは、ただ、
わたしは、
わたしは。
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