言葉が石英だったら/beebee
は釣りだったそうですが、交通事故に遭ってから、他人から生き物を殺しすぎたからだと言われた父は、水石の趣味に嵌ります。
水石というのは、鉱物のような成分が重要であるというより、姿形が良い石を色々なものに見立てて飾るようなものです。庭に山水を表現するように箱庭と同じ発想だと思います。
山の形だとか、峰の形だとか、さらには達磨に似ているとか、猿に似ているとか拡がって行きます。おかげで、小さかったわたし達兄弟は休日というと父親に連れられて、一日中、川上から川下にかけてリュックに石を積めて歩く羽目になりました。元もと鉱物に興味があった父はさらに、化石や宝石にまで手を出して行くことになります。
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(12)