ハチャトゥリアン 交響曲第一番第三楽章/葉leaf
た/逆立った/悲観した、男が道の一歩手前で部屋の東側に移ろっていくと、男から放射された新しい道が、砂利/土/アスファルト/石畳によって殺戮されて部屋の外側にさらなる死んだ道が消えてゆく、波だ、周波数だ、振幅だ、巻き数だ、道は部屋の中で太陽に満たされてそのあと月に引き抜かれる、男は眠らずに手を掲げている、男の視点の数だけ道は曲がりくねり、道の到達点の数だけ男は指を動かしていく、部屋を作っているのはコンクリート/木材(犬の散歩の罪から)/石材(コンクリート、木材)/、部屋は大きな駅から2km離れた場所にあり、駅では昔の時間/変装が今でも人を集め/降ろし、轟音とひび割れと火花を埋葬しながら山から山へと失われた電信を突き通している、男は華やかな苦悩に襲われ額に手を当て笑みをこぼし歯を噛む、男はついに道を歩いた/走った(歩いた、這った)/迷った/迷った(走った)、部屋は立方体の記憶を残したまま球体へと発芽し、道はただ部屋の窓に映るだけの虚構という実体/存在に変わる、男が気づいて見ると部屋の中には花瓶があり、一輪の手の花が咲いていた。
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