ハチャトゥリアン 交響曲第一番第三楽章/葉leaf
 
真夏の赤い闇に閉ざされた狭くて重い部屋の中にどこまでも続く一本の道がある、砂利/土/アスファルト/石畳、それらの悲壮な交替、反復、沈殿により、きらめく闇の粉からささやかれた32mの格子窓に映る病人の内臓、誰もこの道を踏んだ/逃げた/考えたこともない、という浸食から妨げられた5個の剝製の蓄積した感度からの洗濯、どの球面がどの辞書がどの宗教が落とした道なのかその疑問すらも道を通ることができない、生えてくる/廃れてくる/そそってくる、植物/鉱物/アゲハ蝶は「いつ」という問いさえもいつなされたのか、その答えを知っているという悪意と表現の右端の湾曲部にわずかに触れながら、さらに硬直した五月雨の
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