森口さん/アラガイs
どうやらあなたの思惑どおりだよ
森口さん
俺は失敗してしまったようだ
いつもみつめていたのはこうなる事を予想していたのか
それとも こうなれと
思っていたのか
とにかく ふと、顔を上げる度にあんたの視線が気になって仕方なかった 。
笑うときの憎しみに満ちた皴
辛いときの平然とした白々しさ
一度酷く罵り泣かせたことがあった。
あんたはそれをけっして忘れはしなかった。
なぜ俺ばかりをみつめていたのか、俺はいつもあんたを殴ってやりたかった 。
斜めから抉る視線を止めてやりたかった 。
いまあんたは家族に囲まれて幸せに暮らしている 。
俺は ひとりで幸
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