どうしても変われない/番田
誰もいない街で語るべきものなどあまり見あたらない。川に身を投げたいと思った。代わりに、持っていた新聞紙を放り投げた。コイが食べるのかもしれないと思った。そして夢を見た。持っていた笛を吹いた。誰も仕事なんてものはしたくはないのだ。今日もロクなことがなかった。電車の中で、目にするもののつまらなさ。誰だって面白さには飢えている。僅かなお金を手放してでも、きっと、それを手に入れようとする。それは一体何故なのだろう。なぜ、そんなものに飢えるのだろうか。
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