祈りの鐘/コーリャ
/AM2:00
天国って宇宙のどっかにあんのかな
と僕がたずねると
女は黙って指をさした
窓辺においたベッドから
起き直って首を曲げる
ちょうおどろいた
世界の破滅みたいに大きな月が浮かんでいた
あれ?ときくと
首を横に振る
女の視線をたどっていくと
夜空を列車が駆けていくのがみえた
その月を飛び越して
過去にでも行くようだった
悪魔の吹く銀の笛のような汽笛が噴出していた
そのあと僕たちは
野原に飛び出したのだった
/PM11:00
後ろから怪物がきた
違った
家族だった
自転車に乗っていた
自分たちのただ
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