積木/はるな
 
だ。

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床が傷だらけになった。

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高まりゆく季節の中で意識が徐々に遠のいている。

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真夏日に椅子に座っただけで冷たい水が差し出されることを当然と思うな。

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平穏は忘却と相反しない。

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生は死と相反しない。

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機械音に満ちた空を男が一人泳いでいく。

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あらゆる可能性と不可能性があり、それらをいくつでも手にすることができる。
しかしそれは実在する一匹の蝿の存在には勝てない。

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言葉はある程度信用すべきものとしてあるが、縋るべきではない。

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思想を強要すべきではない。いつでも。

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幸福に形があれば、私たちはそれに値をつけていただろう。

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街には背骨をなくした人々が行き交っている。


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