喩え/理来
 
  語り無し
    愛想無し
      希求無し

  まよいご
    ちっぽけ
      へたくそ

鍵の中に封じ込めたすべて
遠のいた視力では
なかなか捉え得なかったものたち
光沢のはがれた羽飾り
羽飾りに喩えている握り拳の雨模様
ほうら、舟が呼んでいる
呼んでいるだけで乗ることの叶わない
逃げ水のような海
ただ一滴により生まれてきたというのに
お前よどこまで広がるのか

  手の中の小鳥たちは
  わたしの戒めを逃れて
  飛び立ってゆきました
  はたはたと鳴る扉の向こうへ










  そして鍵は崩れ去った











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