最終電車/只野亜峰
 
あなたの家路に向かう最終電車は
今しがた発ってしまったのです

今の私にはもうあなたの元へ向かう術も
自分の家に帰る術も無い

一人でいる駅のホームは暗く寂しいところでした
空に浮かぶ月明かりはあなたの眼差しのようでした
頬を刺す冷たい風はあなたの掌のようでした
今のわたしにあるものはその二つだけでした





























しかたがないので今夜はネカフェに泊まります
始発で行くから七時になったら駅まで迎えよろしく
戻る   Point(4)