まんまる/
草野春心
まんまるい
月の照る夜に
凍てた川を跨ぎ
去ってしまった者へ
まんまるい
陽の照る朝に
そこらじゅうの鏡に
閉ざされた思いへ
さよならは言わず
残されて待つ
臍の緒のような
あの地平を見つめ
月も陽も
この惑星も
あなたの
いまは安らぐ魂も
みんな生きるものは
まんまる
心よ、
どうか
そのままで
まんまるい
光の中で
いつかまたあなたに
めぐり出会える日まで
あの地平を越え
めぐり出会える日まで
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