冷めていく夜/AquArium
 
心の隙間を埋めるように
むさぼった、みんなで
流れていく
体内を巡る液体に同化して

それでも
蒸発していくの

たばこの煙
汚い笑い声

何もかもバカみたいで
染みていくアルコールが
虚しく泣いていた




どうして
どうして

いつも私の景色は同じ色で
脈拍も体温も
助けてはくれないのね

こぼれたビール
緩めたネクタイ

ねぇ、
どこを見て
誰にもたれていいの




本当のところなんて
知るはずもないこと
解っていたのに
気づいてほしくて
ただ、
流し込んで
周りを見渡しても
届かなかった声が
私の耳の奥で響いていた
もう水分なんて残っていなくて





心の隙間を埋めたくて
むさぼった、みんなで

それでも
感じたかった
たぶん誰より強く

散らばった靴
ほどいた髪

何もかも嘘みたいで
染みていくアルコールが
虚しく泣いていた

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