Phantasmagoria/雛鳥むく
 
黙秘権、

外側に
行ってしまうのですか、







孤独死を待つ白兎の、
瞳は紅い。

いつも
公用語は行方不明だから
えぐらない手つきで
水をかけあって、
あるときころっと
死んでみたりする。
法の遵守は
ときとしてつめたく、
黙秘権の外側で
暮らしはじめた渡り鳥たちが、
海を渡らない、
渡られない海が、
つくられた薄氷を
うすらひ、

呼びこんで、
呼ばれない海は
一晩中、
錯誤することもあった
ときとして。


孤独死を待つ白兎の、
瞳ははじめから紅く
それじゃあ
どれだけ泣き腫らしたとしても
誰も気
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