亡国のパワースポット/吉岡孝次
 
清濁を
決める、のは人。


撓んだ「板」は割れるか、
跳ね上がるか。
吃音ではなく
軍を成す身震いが
国籍を求めて


腹を曝した和やかな州嶼に打ち寄せるとき
メガロポリスの風上で
手探りの、第一世代の起爆装置が
高らかに密告する、
「この地の民は生を覆せない、そして死も」
と。


事象の裂け目より
噴く、不可視の
力能。幼い俗耳へと染み入る、無声の
凱歌。


  悼む自由に刻まれながら永い「序」を
  亡びを、老いてゆく。
  だが幾度とない血の入替えで


終わりはしない。
異境から嗤われても。
末代から祟られても。

半身から断ち切られても

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