詩人は眠れない夜明けに言葉を紡ぐ/ジム・プリマス
 
怜悧な感覚を研ぎ澄まして
詩人は眠れない夜明けに言葉を紡ぐ
天球と地球と一直線に繋がろうと
懸命に哀れにもがく
その姿は滑稽でもある
天恵はやがてもたらされるのだろうか
詩人はその答えを知らない
答えは知らないが
詩人はその答えを疑わない
無実を主張する被告席の
誰かのように

刹那に訪れる魂の震える瞬間を求めて
詩人は眠れない夜明けに言葉を紡ぐ
網の目の様な紫檀の色の
オーラを取り戻そうと
みっともなく身悶えをする
その姿は頑なでもある
明らかな直感はやがて訪れるのだろうか
詩人はその答えを知らない
答えは知らないが
詩人はその答えを疑わない
一晩中、星を観測する
誰かのように

諦めきれない想いの数々を抱えて
詩人は眠れない夜明けに言葉を紡ぐ
実らなかった恋の思い出を
何とか修復しようと
恥ずかしげにおののく
その姿は寂しくもある
本当の愛は手に入れられるのだろうか
詩人はその答えを知らない
答えは知らないが
詩人はその答えを疑わない
夜明け前にモニターの前に座っている
誰かのように

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