理屈の恋文/電灯虫
憶か 何故か真正面のあなたを知っている
手元に残るのは いつもこの確信だけ。
次元さえ一緒なら 時間だって距離だって 短くできる。
先後関係は絶対でも 1ミリでも近づけば あってないようなものだ。
青臭いって思うけど 青春だって1年毎に訪れさせたっていいんだから。
自分の立場上 無垢を装うことはできないけど
あなたへ追いつきたい。
繋がりの予感が錯覚めいて かすかに匂うから。
生まれついての位置関係が 僕とあなたの距離。
理屈っぽい僕にだって どうしたって感じるから
追う事だけは その整然とした理路に逆らって
また一度でいい ゆらめくあなたを その横顔の滑らかさを
目に写したい。
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