秋冬/nm6
それはもうやわらかさの
空気の眠い部屋が体積を主張し
捏造した自信がゆるりと溶解する夢の直前に
膨大に散乱するやわらかい洋服の
それはもうやわらかさの
叫べど数学的に整頓される時間で
おもむろさが財布を忘れ
だらしなさが風景に逃げていく
ビールの泡がくしゃみに変わる頃に
朝方が焼ける頃に
一台の自転車は談笑のように走り抜けてゆき
きみは抽象に身を委ねるかどうか迷い
臆病さで煙にまいた暗がりの桃色で
ぼくは輪郭に気づいている
味覚で妄想を数えたりしている
空気の眠い部屋に
夢の直前に
散乱するやわらかい洋服の
それはもうやわらかさの
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