parents fascism/yumekyo
向かって送る
受信者は微笑みこそすれど
窓から職人の左官仕事を覗く 幼子以上の事はしない
必然的に 母は 子供に全精力を傾注する余り
この子だけは如何なる手段を使っても我が範疇に収めんと覚悟を決める
やがて保育園 幼稚園 小学校と子供が成長するにつれ
母は 他所の母と子を認識するようになる
多忙なる父もまた 母への愛情と 子に構えない贖罪意識が重なって
わが子だけを如何なる手段を使っても範疇に収めんと覚悟を決める
かくして 遊戯会 運動会 授業参観 音楽会学芸会は
さながら肉牛の品評会の如き 穏やかな熱気に包まれる
我が子への称賛非難は 他所の子との
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