歌謡曲日和 -あの娘は綾波レイが好き-/只野亜峰
 
当たる場所から手を伸ばして彼女を引き上げようというのが『アルエ』という曲であるなら、一緒に日の当たらない場所に身を置いていこうというのが『あの娘は綾波レイが好き』という曲であるわけです。『アルエ』の『綾波レイ』は『愛でるべき少女そのもの』として描かれていますけれど、『あの娘は〜』で描かれる『綾波レイ』は愛する少女の『忌むべき依存の象徴』であるわけですね。しかしながら、対照的な二つの作品のヒロインは『ハートに巻いた包帯』が『アルエ』の場合は『孤独』であり、『あの娘は〜』の場合は『ドラッグとセックス』であったというだけの話で大きな違いは無いわけですね。そういった意味で『あの娘は綾波レイが好き』は、同じ
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