扉の向こう側 (未詩・独白)/
プル式
をした緑のテラスと
子供の生まれた駅前通りの病院
あそこが僕らの始まりの場所だった
この街には海もジャスコもあるけれど
畑や桜並木、あの街に有った物は無い
友達と文句を言ったあの丘の坂も
行きき出来るさなんて言いながら
仕事に追われて空ばかり眺める
下を向くと挫けそうになるから
左のポケットには家の鍵
握りしめた手の中で
キーホルダーに書かれたあの街が
僕の心をカチャカチャと開ける。
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