僕の幸せ/yamadahifumi
風は空を渡っている
それが人々の視界に入ってゆく
僕の視界はあちらを向いたまま
首はねじれきった状態のまま
今人々の内で蘇生しようとして
人々が許してくれるかどうか・・・
一人だけゾンビからよみがえった所で
一体何の価値が有ろうか?
もう既によみがえった人間は
一人だけ死者の足取りでこの世をうろついている
その足取りは亡者の極み
誰も足を止めようとする者もいない
彼は名付けられないまま歩いていく
いつか僕が面会する日が来るだろうか?
僕の魂はうらびれている
もうよみがえることのできない魂のように
僕も気がつけば二十五歳
全てを喪う身分となった
そう「大人」の仲間入りだ
これで僕は幸せに生きていける・・・
誰にも遠慮することなく
僕は幸せに生きていけるのだ
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