俺の身体を駆け巡る暗く無残なブルース/ホロウ・シカエルボク
 

暗く無残なブルースの中で俺は生きている、それは初め責苦だった
だけど判ったのさ、それは宿命だって、育たない赤子の様にそいつは俺の魂の中にあるのだって
暗く無残なブルースが俺を生かしているんだ、それが零れて来た時に漏らす音が
俺に新しい言葉を殴らせる、俺に新しい言葉を叫ばせる、俺に新しい言葉を喰わせるのさ、そいつらはみんな生きろと言う、暗く無残なブルースを抱いて俺に生きろと言う
いまじゃ俺は黙って頷くのさ、あいつらが俺にやってきたことがいまじゃよく判ってるから
暗く無残なブルースが俺の身体を駆け巡る、生きてることは喜びなのさ
暗く無残なブルースが俺の身体を切り刻む、生きてることは喜びなのさ
暗く無残なブルースが俺の目玉をえぐり出す、生きてることは喜びさ
暗く無残なブルースは激しく俺を昂らせる、じめついていない胎盤のことなど俺は知らない




知らない!



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