夕日日和/草野春心
 

  夕日なんて見たくない
  きみは言う
  紅く
  どこまでも紅く
  終わってゆくものなんて



  透明になんてなりたくない
  ぼくは思う
  歓びは
  柔らかな牙で食み
  ぼくたちを透明にする



  きみの気がすむまで
  そこにいればいい
  でも
  準備ができたら
  行くんだよ



  歓びがたまったら
  夕日日和
  紅く
  かなしみや怒り
  死ぬことへのまなざしで
  紅く
  淡く心に色をつける
  夕日日和




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