かんらん石/mizu K
 
えながらみあげていると
ふいに目がくらんで、ひかりがはじけて、いっしゅん

目に星がつきささったのだ
と思ったが、いっしゅん
の後には何事もなかったかのように景色はもどり
隣の人はあいかわらず
これちょっとあまいかもー、とがりがりやっている
あの、さっきさ、と話しかけたら
あれ?とのぞきこまれた

目が燃えてるよ
オリーブみたいだね、すごいね、きれいだね
と笑う隣の人のくちもとがふるふるとうるんでいるのは
星をなめたからかと
そのときは妙に冷静だったと思いたいが
実は内心どぎまぎしていたのをここに白状するが
むかし星をのんだかじやの話があったけどさ
きみは星のひとみのおうじさまになるのかもね
と隣の人はいう
ついでにわたしのおうじさまになっちゃってよ
とつけくわえるので我がむすめよ
これがたぶん逆プロポーズだったんだろう



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