それでもできることをする/朧月
風を数えることができない
今私にぶつかった
私の髪をさらっていった
風を色分けることができない
だれかの悲しみに
順列をつけることができない
少し待ってくださいと
目をふせる人をフォークの先の
かたちになんか似せられない
作業なんて言葉にしなければならないとき
心なんて邪魔だね
迷いなんて足をとめるものでしかない
勇気も今は不要物にいれる
笑顔をむけられ
笑顔になった私の頬は
コントロール不能で
優しさに優しさでかえすことも
できないまま出す手の温もりが
いききすることで
向かい合う人を人と知る
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